素敵な読者の皆さん

2013年5月29日水曜日

イランの大統領選挙当日に講演会。東京・五反田駅ちかくの喫茶店で19時から

抵抗の力――反原発とイランでの市民のアピール作戦を比べてみれば」

前売/2500円(1drink付き)◆==ゲンロン友の会/学生証提示で2000円に!==◆

詳細 当日券は3000円 (1drink付き)です。ゲンロン友の会または学生証のご提示で2500円になります。

SNSを用いた市民の抗議運動はモルドバに始まり、2009年大統領選挙後のイランでは300万人が街頭へ、そして「アラブの春」や「Occupy Wall Street」を経て、日本では反原発運動に新しい局面を開いた。2013年6月14日、街頭運動が抑え込まれたイランでの第11期大統領選挙の日、イラン人研究者「あれず」と、反原発運動の「野間」が登壇し、抗議運動のあり方について語りあう。

登壇者プロフィール
あれず・ふぁくれじゃはに
政治社会研究者 オイルショックの73年イラン生まれ。
(旧)文部省奨学生として91年に来日。人生の半分以上を島根、愛知、青森と東京で過ごし、区別とも差別とも受け取れるカタカナでの呼び名を卒業。東京工業大学博士過程修了後06年から11年まで東外大研究員。
日本ではじめて中東・イランのネットと抗議運動関係を『われわれは無限大だ』(現代思想09年12月)で。「ネットで近づく中東」責任者。
野間 易通
1966年、芦屋市生まれ。大阪外国語大学インド・パキスタン語学科卒業。
月刊『ミュージック・マガジン』編集部に勤務の後、フリーランスに。現在は首都圏反原発連合のスタッフとして、3.11以降の反原発運動にかかわる。
著書に『金曜官邸前抗議 デモの声が政治を変える』(河出書房新社)、共著に『踊ってはいけない国で、踊り続けるために ---風営法問題と社会の変え方』(同)など。
<問題提起と司会>
山岸智子
1959年生まれ。明治大学政治経済学部教授。科研費研究「イラン人によるネットワーク型社会運動の系譜とその政治化に際しての諸問題の検討」研究代表者。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)。1990~92年テヘラン大学文学部留学生。
共著に『イスラーム世界がよくわかるQ&A100』(亜紀書房)、論文に「イランにおける市民運動とジェンダー」(『中東研究』509所収)、"Prose and Verse for Revolution”(『日本中東学会年報』5所収)ほか。

2013年5月24日金曜日

イランのネットがなぜ死ぬほど遅いのか?


英語での番組だが、素晴らしい議論。
要約して日本語訳を加えると:
2009年の大統領選挙でのデモにおけるネットの役割を懸念しているため。
テレビも国営テレビしかないし、新聞は記者も含め、自由がない。
●なぜ、完全にネットを遮断しないのかという議論は一番の面白い議論。
>フェイスブックで「いいね!」をしようとするだけで、お茶を入れてきても間に合うほど。グーグルのメールを開くのに20分かかる。
>ネットにかかりっきりになる時間を増やせば、路上へのデモに出ないだろう。
>活動家らを逮捕しやすくするため。逮捕された学生や活動家らは、「これはお前がメールで書いたないようだろう!」と監視していることを示す。それを理由に逮捕し、刑に罰する。

このブログも含め、ネット上に書いていることがいかに危険なことで、日本語で読める皆さんは、下手すれば私の命の危険まである上で読めていることが、お分かりいただけますか??他のイラン人は書かない理由もそれだ。

2013年5月22日水曜日

立候補者「無し」のイラン大統領選挙で投票率と集計結果が発表された?!

イランの政治はますます、ハメネイ最高指導者の一人だけの独裁に近づいた。今までなら、「君主論」に基づいて、裏から全部を仕切っていながらにして、表向きは皆ががんばっておるから、イスラム共和国は安泰だとでも言えた。
しかし、第11回大統領選挙の立候補者で彼を最高指導者にまで上らせたラフサンジャニの「立候補資格無し」という印でハメネイの一人劇が強まった。ラフサンジャニに立候補資格がないというのはイスラム体制を否定し、自らを否定するのと同じだ。ラフサンジャニが任務した1979年イスラム革命以降の経歴は他にいない。全国の地方都市にまで支部のある私立大学の設立など、数え切れない仕事をしている。
①「革命委員会のメンバー」からはじまり、
②憲法成立まで。
③国民議会の議長、
④イラン・イラク戦争でのホメイニ最高指導者代理の総司令官、
⑤ホメイニ死去後の最高指導者選出、
⑥1989年から97年までの二期で大統領、
指導者選出専門家会議の議長
⑧現在も公益判別会議長
まあ、書ききれないけど、このブログの2年半の間だけでもラフサンジャニの名前を検索するとたくさんでるけど、その中で選ぶとなら

ハメネイ氏はエジプト国民になにを?神学者らは?

そして、今回の選挙に関連して書いたのは
ともっとも重要なのは最後に書いた
ラフサンジャニも含め、(名前負けしている)護憲評議会の12人の(ハメネイによって選ばれた12人)の出馬が認められなかったことは、イランも含め世界で大きなニュースとなった。とにかく選挙でない状況がつくられた。落選した人のほうがニュースになっているけど、認められた人は?この8人だ。

この人たちって、誰よ?左上のジャリリは核問題交渉担当であって、実務経験が無くて、せいぜい外務省の次官レベルだ。博士号をもっている、聞いて笑わないでくださいな。「マホメド預言者の外交政策」だって!それを大学で教えてもいたそうだって!すごいでしょう?!ここまで無名で無所属だと、逆にハメネイの話をちゃんと聞いて、いろいろ実現するだろうから、次期大統領になることは有力だ!8年前のアフマディネジャドが当選して、しばらくはハメネイのことばにハイハイと返事してように。後に反ハメネイになったかのようになったけどね。

右上はベラヤティで、元外務大臣で、現職はハメネイの国際問題顧問。その隣はハッダーデ・アーデル元国民儀外長。しかし、このアーデルの娘はハメネイの息子と結婚しているのはミソだよね。

表向き、素晴らしい「共和制にふさわしい大統領選挙」とする予定だろうけど、候補者らはなにを基準に選ばれたのか?今後のことを予想しようか?!
まずは短期的なこと:
6月14日金曜日の投票日当日、イラン国営テレビの中継は「数多くの人が投票へ向っている!」と報じる。
6月15日-16日 投票率が70%であって、ジャリリが大統領になる。
8月ころ、イランの核開発は一段とする。
2013年秋ころ。イランと米国の国交が回復する

いいシナリオでしょう?!この劇を見にきませんか?

とにかく、国民無しだけど、インフレ率が正式発表で35%でありながら、50%以上ともいう専門家もいる中、「米騒動」が起きる可能性があるイランでは、今のところ国民無しの劇だ。その先はどうなるのかは?・・・・

ラフサンジャニ落選は、前にも書いたように「本当は社会運動の恐れで大統領候補者らを落選させられる可能性」に基づくものだった。
この落選に賛成の声は内政部からもまったくと言っていいほどでていない。宗教界もバーザール商人らなども。おぼれそうなハメネイ船に乗りたくないからだろう。それに護憲評議会の発表の前から、首都のテヘラン市内は治安部隊であふれているとの報道。それにインターネットが死ぬほど遅く、国内からの情報は遮断されているほどだ。人々の意見交換の場であるインターネットを遮断しているようだ。日本だったら、12メガのスピードは当たり前だけど、普通であっても128キロ。つまり1000分の一ほどのスピード。それが、死ぬほど遅いというのはご想像に任せる。
投票率は70%の大統領選挙劇のチケットを買いませんか?

2013年5月21日火曜日

本当は社会運動の恐れで大統領候補者らを落選させられる可能性

イラン研究者のMさんやTさんとかは、分析の軸を政党だとかにおいているけど、私はそれを完全に否定する。
その否定の理由はイランで政党が意味を持たないためだ。説明してもらえるかな?まず最初に政党金の収集方法を説明願いたい。組織は?まあ、その人たちも含め、イラン政治が専門と名のる日本のイラン専門家らは職を得ているから、イラン・イスラム共和国の政治の説明をして、まず最初に政党と言い出さないといけないだろうから。格好悪いとでも思っているのか?基礎がない専門家とでも思われるのを恐れているのか?せめて、社会運動を懸念して発言している政治家らの発言を分ければどうだい。どうせ、ときどき、ここを参照するのだろうから、自分の研究の方法の参考を得てはどうだい?まあ、他の研究者批判はここまでとしよう。本題へ。

日本時間の今晩か、木曜日まで「護憲評議会」というハメネイ最高指導者によって選ばれた12人のおじいさんたちが大統領に立候補できる人たちを選ぶ予定だ。
テレ朝CSで使った図を再度ここに貼ってイランの政治組織を説明する。核開発の疑惑に関する番組だったけど、ハメネイの下にあるあの12人は、名前ばかりが立派な護憲評議会だ。


この評議会のトップはジャンアティでテヘランの金曜礼拝でも演説する人だ。テヘランの金曜礼拝は、テレビ中継もされているから、基本的に政治演説として、重要。このジャンアティは87歳でありながらにして「年齢が高いと大統領職として勤まらない!から立候補できないだろう」と話した。立候補者の中で特に年齢は上というのは、ラフサンジャニの79歳だ。
2009年で社会運動となった大統領選挙の二の舞を踏まないと思って、体制はいろいろな理由をつけて、社会運動につながりそうなものを外そうとしている。ラフサンジャニがベンツに乗っているから、ダメだといったり、書いたりする新聞もあれば、もしかして、次に立派な髭がないからダメだとかも言いかねないほどだ!
本音は、ラフサンジャニがハメネイ路線を2009年に否定したからだろう。「逮捕された人たちを解放せ」とテヘラン金曜礼拝で言ったりして、緑の運動の人たちが彼の立候補に多少の期待をかけているだろう。
「87歳さんが79歳さんにお前は年だからダメだのー!」という前に自分がやめればどうだよ?
そもそもイランのイスラム革命の精神リーダーのホメイニは1979年に、80歳だったんだよ!!

ラフサンジャニが落とされたとしたら、侮辱的に復帰する道もある。それは73歳の最高指導者にお願いすることだ。
を最高指導者に導いたのにだよ!
読者の皆さんにどうでもいいだろうけど、イランの政治界はおじいさんばかりがもめている人口7300万人の半分3500万人以上が35歳未満なのに!!
勝手にやっていればとばかりも言えないのは、こちらなのさ!

2013年5月20日月曜日

イラン人は大統領選挙で投票するのか?それに意味があるのか?

今、イランで大統領選挙はアツくなっているけど、一番の問題は「●投票したらなにが変わるのか?●投票したら、数えられんのか?●しなかったら無い戦場のシリアにならないのか」などと選挙や投票以前の疑問が多すぎる。
一例のビデオがこちら。
ラフサンジャニが大学生や若者らと会を開いたときのこと。23歳の女子大生は「私は投票へ行かない。このイスラムイスラム共和国体制を信じられない。あなたが何かができるかも信じない。ただ、私に「自信」を返してください」と
この映像が今年のもかどうか、疑問に思う。まだ、選挙活動が正式に、始まっていないから、ちょっと微妙。もしかして、ラフサンジャニが大統領選挙に立候補した8年前のものかもしれない。

しかし、そうであったとしても、疑問はそのまま残る。「投票に意味があるのか?」

2013年5月19日日曜日

イラン国民の記憶に凄まじく残っている4年前の大統領選挙でなにが

2009年5月からイラン社会はアラブの春の先駆けとして動いた。それまでも穏やかな状況ではなかったが、大統領選挙の不正を訴える人々が路上にでた。首都のテヘランで300万人とも数えられた。テヘラン市の人口で換算すれば、2か3人に一人だろう。
これらのビデオを見ると殺された若者らや、逮捕された人たちのことで頭がいっぱいになる。
憲法で認められているはずの数えなおしを行うところか最高指導者とも独裁者ともよべるハメネイは「100万票が違っても、結果に違いがない!」と自らの弟子とも思えていたアフマディネジャドを大統領とした。そのうち、ネジャドは、飼い主の手を噛んでさ。
2分ほどのこのビデオで、4年前の状況を思い出していただきたい。イラン国民はなぜ、大統領選挙に行くべきか、いくとするのなら、なにを求めるべきかをご理解できるだろう。そもそも、今回も前回同様に「自分の票が正しく読まれないのではないのか?」

選挙の不正を訴えた、2人の立候補者、ミル・ホセイン・ムサビとキャッルビが自宅軟禁されてから820日間以上となっている。
下の写真は、ムサビ氏と大学の学長でもあったラフナバルド婦人の投票を終えたときの写真だ。彼女もムサビ氏と自宅軟禁されたまま。
当時の社会運動をはじめて日本で論評したものはこちら
「『われわれは無限大だ』世界でも稀なイランの抗議運動にみる新たな市民のネットワークと社会編成の力」ISBN978-4-7917-1205-2.jpg大きな図書館にもあるでしょうけれども、下のリンクから買える。
定価1,300 円(本体1,238 円) ISBN978-4-7917-1205-2 買う方法は
  クロネコヤマトのブックサービスで購入する  bk1 オンライン書店ビーケーワンで購入する 

2013年5月15日水曜日

大統領選挙を日本語で伝えるよりイラン人向けの役割がある

イランの大統領選挙の活動はネット上も含め始まっている。
私も分析する研究者だけでいてられない。ネット上の活動に多くの時間を入れている。
悪いけど、ここで、どんな議論があるのかとか、今、なにをみなが疑問にして動いているのかなどを日本語で書くほど、時間もないし、読者も興味が無いだろう。
ペルシア語が読めるのなら、フェイスブックに加わってイラン人らと議論しているものを読んでください。ネット上の自動翻訳を使ってもいいだろう。それ以外でも書いているし、直接伝えたりもしています。

本当なら、シリアで反体制派の司令官が政権側の兵隊を殺して、その遺体からナイフで心臓と肝臓を取り出して食べるのビデオの話も分析したいけど、今はイラン大統領選挙で忙しい。(辛すぎて、残酷すぎる現実だし、あまり触れたくないのもあるけど)

聞かれれば、口頭で伝えることは楽だから、講演か、メディアの取材なら言える材料は多い。一応研究者だから、ななめにそのように行われている活動に関わりながらも、見て、分析している。

ご連絡は上にも書いているが gmail.comの前にarezjaponiへ 24時間以内に返事します

2013年5月11日土曜日

イランの大統領選挙が少しだけ面白くなった

イランの大統領選挙が少しばかり面白くなってきた。ラフサンジャニが届け出た。
20130323-hashemirafsanjani-koocheh
2009年に、選挙結果に不正があったとして、街頭に出た「緑の運動」の人たちも支援するだろう。

これまでのことを書いたものをまずお読みください。過去10日間のニュースも書いている。

人々が彼を支援するのであろう理由は:
●ハメネイも含め、体制の隅々まで知っているラフサンジャニは、もしかしたら唯一ハメネイと治安部隊を止められる人かもしれないという期待
ラフサンジャニを支援するのであろう抗議運動の人たちの理由は:

・1979年以降、常にテヘランの金曜礼拝のイマーム(礼拝を指揮する人)だったが、2009年を最後にハメネイに外させられた。ラフサンジャニはその最後の礼拝で緑の運動を支援した。
・ラフサンジャニ娘のファエゼが悪名高いエビン刑務所で半年も入れられた。理由は「国家治安を脅かした」というか、言い換えれば「緑の運動」の一員であったとして。刑務所内から同じ活動からは彼女の活動を褒める言葉が聞こえた。例えば、イランで異端者とされ、死刑にもなっているバハーイ教徒らと親しくしていた。バハーイ教徒らと一緒の宗教行事である断食をしたとか。
・また、息子のマフディーが「緑の運動」を支援したとして、今も裁判中。

今日は、多くのイラン人がツイッターで届けのニュースをおっていました。

1979年にマシャドからハメネイをテヘランに引っ張ってきて、最高指導者にさせたあのラフサンジャニをハメネイが「無二の友達」とよんだ。しかし、2009年の大統領選挙後「アフマディネジャドの意見は僕に近い」と言ったのはハメネイだった。ハメネイと険悪な仲となったラフサンジャニを支援するイラン国民も多いだろう。
あの2009年に「サラーム」をつけずに手紙を出したのもラフサンジャニだった。
関心が高まる。
ただしラフサンジャニが79歳(か78歳)でさ?!

2013年5月7日火曜日

5月8日文化放送で「ボストンでの爆破」(テロ?)を

2013年5月8日、水曜日、朝10時05分から文化放送デイトラインに出演。
パレスチナとイスラエル首相ら両方が中国を訪問したニュースと、米国のボストンで起きた爆破(テロ?)について解説します
詳細は
http://www.joqr.co.jp/japan/
本当なら6月14日のばイラン大統領選挙についての解説をしたいけどさ
イランの最高指導者を選ばない大統領選挙は政治界のお遊び?

話したが、きちんと伝わらなかったことを改めて書く。
・アラブの春のさきがけの社会運動となった2009年から今に至ってのイランを6月14日に実施される予定の大統領選挙で見たいけど、またいつか。
・パレスチナとイスラエルの仲介を思わせる中国の動きは昨年、国連が格上げしたパレスチナの「オブザーバー国家」に由来する。日本で再開できない原発をトルコで売ってきた阿部首相とぜんぜん違う動きで、中国に先見の目を感じる。
・ボストンの爆破事件をテロと呼ぶのは、おかしい。そもそも、テロの定義ってあるの?シリアのアサドが反体制派を「テロリスト」と読んでいるのをどう思うのか?シリア人が7万人以上も殺されているのに。
イスラム教の過激派だと言って、あの兄弟を見るのも、納得いかない。そもそも、彼らが米国で属し、自らのアイデンティティと名のれるものがあったのか?旧ソ連が無くなって、故郷と感じるものとは?せいぜいお母さんが被っていたスカーフから見るとイスラム教でしかなかったのではないじゃないか。
私自身もイスラム教徒であるというか、イスラム教徒にされたのはまず、イランをでるときに必要だったパスポートに宗教欄があって「イスラム教・シーア派」と書かされたときだった。そして、2回目は9.11の後に、それまで日本でどこにでもある日本家庭に下宿していたから、その家族と飲食を楽しんでいたが、突然テレビ局からの「イスラム教徒の生活とは?」の取材で、イスラム教徒とされた。
米国で爆破事件後、埋葬される場所も見つからない、兄の遺体のニュースを他のイスラム教徒らはどう見るのか?他の人もまた属するアイデンティティをイスラム教に感じるのではないか?

2013年5月1日水曜日

イランの最高指導者を選ばない大統領選挙は政治界のお遊び?!

世界が今のイランをみるとすれば、経済制裁下の人々の苦しい生活状況でもなければ、罪が証明されないまま刑務所に入れられている政治活動家のハンガーストライキ状況でもないだろう。6月14日の大統領選挙に注目が集まっているはず。
その大統領選挙をどのように見ればいいのか、まずここで簡単に説明し、おそらくSさんやTさんなどのような日本研究者でしか興味を持たないであろう読むに値するペルシア語のリンクを日々、ここに貼ります。フェイスブック上では、イラン人の友達らが大勢いるので、その人たちにはもっとシェアしているけど、ここでも貼る。なにせ、紹介している数倍以上を読んでいるから紹介しているのだ。政治の分析であったとしても、このくらい読まないといけないですよ!政治研究者だとか、イラン研究者として給料をもらっているのだったら、がんばってペルシア語で読んでください。一般への読者の理解用ならともかく、給料を得ている専門家を名乗っているのなら、無職の私これ以上のサービスを求めないでください。ネット上で自動翻訳を使うかもしれないけどさ!

まずは簡単なまとめ:
大統領選挙と言っても、なにもそれがイラン・イスラム共和国体制のトップを選ぶわけではない。最高指導者、ハメネイがトップである体制の行政を管轄するだけだ。しかし、それであっても、イラン政治界に大きなを表面にだしている。2009年の大統領選挙で不正を訴え、首都のテヘランで300万人とも数えられた人たちが「私の票はどこにあるのか?」と無声デモにでて、数百人が全国で殺され、1万人以上が逮捕されてしまったのも大統領選挙だった。最高指導者を選べなくても、人々がかすかな希望をかけて、投票所へ行ったし、その後に、再集計を望んで、路上にでた。
ハメネイは集計がでたというか、だしたその日に「アフマディネジャド大統領再選オメデトウ!」とだした。しかし、それは憲法上、最終結果を示す必要があった護憲評議会(または、監督者評議会)の結果を出す前だった。

イラン各都市で不正を訴えていた市民デモが続いていたさなか、金曜礼拝で演説したハメネイが「選挙で一位と二位の違いが少ないわけではないから、デモが無意味だ。100万人以上の違いがあるのに、不正はありえないのだ」と言った。言うまでもないが、日本では一票の格差を争うのに、なぜそのような傲慢な発言ができて、今なおしているのか。それでも国民は選挙に関心が持てると思えるのだろうか?

今回の選挙の状況:

国民の投票を期待しているものではないから、選挙ではない。
そうしたなか、政治界だけが動いている。政党があるわけでもないし、政策がはっきりしているわけでもない。「俺は最高指導者に忠実だ」とか程度言っている人ばかりで、主張はまとまってもいない。選挙を実施するはずの、実行委員会はまだ確定していない。実行委員会の法が変わっていて、行政だけの管轄から外れているなかでの出来事だ。
ハメネイもそれを危惧してのことであろうが、「予定通りの日程で大統領選挙は実施される」と演説でいう。革命防衛隊が実施するようにも見える。今までも、幾度も「選挙の設計」と発言した防衛隊トップらがいたほどだ。たぶん各地の防衛隊員が任命されているだろう。
「俺には一票しかない」というハメネイだが、彼の意向ですべては決まることを皆が知っている。

ハメネイを最高指導者に導いたラフサンジャニが立候補するかどうか、または護憲評議会は彼の出場資格を認めるかどうかも分からない。ラフサンジャニが1989年から8年間大統領を務めている人物であり、イスラム革命前にハメネイをマシャド市からテヘランへ紹介した人でもある。それなのに、今になってからのハメネイが彼との面会もしていないようだ。週一会っていた二人だったが、今はそれも無くなっていると噂で言われている。

国連での演説がきっかけになって、2001年は文明間対話の年となった1997年から8年間大統領だったハタミの立候補の可能性さえ見えない。また、護憲評議会が、彼に立候補資格はないと言い渡す可能性も高いとされている。


名前は立派で、なかなか大変なものに見えるかもしれないが、この護憲評議会の12人はハメネイによって任命されている12人でしかない。この議会でなくても、すべてが、ハメネイの意向で動いている体制だ。革命防衛隊も核開発も、国民議会も、あらゆるところだ。

7000万人とも7500万人とも数えられるイラン国民はどこにも重要視されていないごとくの大統領選挙だ。まあ、日本の専門家というか研究者なら、ぜひフェイスブックに加わるか、こちらを覗いてください。
これ以降は主にペルシア語のリンクを貼るだけ。ここでの更新を続けます。紹介文の上にリンクを貼る。

2013年5月1日
Akbar Ganjiさんの現状分析こちら
Mostafa Tajzadehさんの刑務所内からの分析と声明
投票へ行くべきかどうか否かをネット上で討論会。賛成のEbrahim Nabaviさんとボイコット派のSeyed Mojtaba Vahediさん
2013年5月2日
現在の状況を自宅軟禁されている2009年大統領選挙立候補者のムサビ氏への手紙で分析Mahmoud Farjamiさん
刑務所に入れられている政治活動家ArabSorkhiさんの奥さんがいかに選挙は自由でないのかを。
情報大臣(ハメネイ任命大臣)がラフサンジャニに「2009年以降、あなたを自宅軟禁しなかった理由は分からないのか?」と言った。
アフマディネジャドは革命防衛隊に一時拘束されていたのか?英語で
2013年5月3日
保守派というか、ハメネイ派がなぜこれほど多くの大統領立候補者をたてようとしているのか。この時点で16人は立候補を考えているし、それ以外でも活動をはじめている。
ハメネイと次の大統領。Reza Haghighatnejhadさんの分析
ななめの見方だけど、イランでなぜ政治家が椅子に座らないのか?写真集。反欧米文化?飾らないこと?それとも弟子として?ハメネイだけが椅子に座る。
2013年5月4日
選挙実行委員会が決まった。そのメンバーらは
5月3日の金曜礼拝で金曜礼拝イマームのEmami Kashaniは「米国との関係改善などは大統領の任務でないから、候補者らはそれを約束しないで」
「ラフサンジャニが米国の使いだ」とハメネイの兄Mohammad Khameneiが語った
2013年5月5日
1979年にできた革命防衛隊だが、イスラム政権で宗教学者らを超えるのか?米国に亡命していて、革命防衛隊の設立者一人であるMohsen Sazgaraさんとのインタビューが面白い。なぜカリスマ性のあったホメイニが革命防衛隊にハメネイほど頼らなかったなど。
もしラフサンジャニが立候補したら、護憲評議会は彼を落せるのか?当選した場合はハメネイの地位は。Mohammad Aminiさんの分析
イランを外につなげるインターネットが大統領選挙まで完全に遮断されるのか?というのも、人々が情報を求めている。しかし、国内のテレビは体制が求める情報しか流さないし、新聞らはきつい規制で書けるものが非常に限られている状況で
2013年5月6日
ハメネイ本人がなぜ黙っているのか?周辺に言わせておきながら、なぜ黙っているのか?Morteza Kazemianさんの分析
ハタミとラフサンジャニが大統領選挙に立候補することはいかに難しいか。Aliashghar Ramezanpourさんの分析
「大統領選挙に40-50人が立候補すれば、ハメネイのお言葉にそむくことになる」と一人の宗教学者が
ラフサンジャニが「ハメネイの認めがなければ、私の立候は、問題になる」と
2013年5月7日
「ハメネイが大統領に立候補こと求めるキャンペーン」のページ。本気か、冗談か分からないが本当に面白い。
イランによくあるジョークと本気の境がぐちゃぐちゃになっているページ。分析は
立候補届けは火曜日から始まった。その様子に関わるニュース速報は
2013年5月8日
選挙直前にインターネットが遮断される予定であるようだ。
ハメネイ周辺が多方面をバッシングしているのに、なぜ本人が黙ったままなのか。フランスに亡命せざるおえなかった、Taghi RahmaniさんとFarrokh Negahdarさんの分析
またも風刺される大統領選挙「遠い親戚」という風刺漫画のキャラクターを選挙に立候補するようなキャンペーン
「イランは非常に多くの外交問題を抱えている」とハメネイの外交顧問で大統領に立候補予定のVelayatiが
2013年5月9日
マシュハド市にあるレザー廟に関連するすべての施設長のWaaez Tabasiが、ハメネイに会って「ラフサンジャニが大統領にならないとキツイ状況は変わらない」と
立候補者らはハメネイと距離を置いているようだ。一人はロハニ(元原子力交渉担当者)で日本の新聞でも立候補届けを出したことはニュースになっていた。「2009年の出来事で必要ならば、暴く情報をいっぱい持っている」など
2013年5月10日
明日、土曜日は立候補を届ける最後の日だ。しかし、ハメネイは何も発言しない。今日までは、「沈黙するハメネイ」を賛成と考えられるとも考えられるとして、ハタミとラフサンジャニの立候補届けに期待もしていたけど、無理かも。ラフサンジャニのネット担当者が逮捕された。抗議する人たちの唯一の連絡手段であるインターネットだ。
どこで読んだか、理解したことか覚えていないけど、、、「体制は2009年の失敗をもう一度しないだろう」。つまり、いかなる社会運動の機会も与えないだろう。とにかく問題ばかりだから、社会運動は耐えられないだろう。
2013年5月11日
ラフサンジャニが立候補した!ラフサンジャニが緑の運動の支援を得られると思う。理由を後でアップする。