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2014年6月10日火曜日

6月27日(金)発売予定の現代思想誌、ロシア特集号で

6月27日(金)発売予定の現代思想誌、ロシア特集号http://www.seidosha.co.jp/index.php
で以下のタイトルとまえがきで文章を書かせていただきました。雑誌の許可を得てまえがき文をこちらに載せます。
ぜひお読みになっていただければ、ご感想をお聞かせください。
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北にいる熊との難しい付き合い方のイラン
まえがき
ソ連崩壊後の地域連帯を目指し、はじまった「アジア信頼醸成措置会議(CICA)」は今年5月、中国の上海で開催された。26ヶ国のアジア・中東の首脳が参加したが、ウクライナ情勢を受けたロシアの動きに注目が集まった。中国は、ロシア産ガス輸出に用いられるパイプライン建設の契約で更なるロシア接近を図った。プーチン大統領と中国の習近平主席らに並び、イランのルーハニ大統領も会議に出席した。
イランの大統領が上海に到着した日に、北部の人々が思わぬ光景を夜空でみることとなった。「UFO出現」とも言われたが、後にそれはロシアが実験で発射した弾頭ミサイルであることが判明した。ミサイルは、イラン国境北部のわずか1500キロにある、ロシア南部のカプスチン・ヤル基地から発射されたものだった。イランは、ロシアと陸でつながっていないものの、世界最大の湖、カスピ海を通して隣国である。結婚相手が選べても隣人が選べないことわざのように、イランが熊の国とも称されるロシアと付き合うしかない状況にある。

本文で、現時点のイランからロシアとの関係を考える。歴史において、ロシア、そして、国際政治が国内政治にどのような影響を与え、政治体制を作り出したのか。人々の歴史的記憶がそれらにどのような影響を与えたのか。その上、今後のイランはどのような状況になる可能性があるのかを考える。本文は、イラン出身の筆者の今までの現地調査も含めた研究結果に基づいて、書かれている。