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2013年9月5日木曜日

シリアのオリーブ林はどうなるのか

東工大で学生だったころにシリアを訪ねた。ダマスカスで食べた黒くて、濃いオリーブの味は今でも忘れない。
日本へ来たはじめのころ、イランの果物が日本よりおいしいと自信をもって断言していた。しかし、トルコへ行ったときに、これはイランの果物よりおいしいわ!と理解した。しかし、それが決定的に過ちであるとわかったのは、シリア経由でレバノンへ入った時だった。参りました!今だったら、この上なく、おいしいのは地中海に面した地域で、シリアやレバノンの果物だと言える。

レバノンへ入るルートでもあるのは、アレッポを経由した.。アレッポはペルシア語でアラビア語の発音のままでHalabとよばれ、昔から、商売の街として知られている。日本でアレッポは岩塩や、石鹸で有名だ。そのアレッポの歴史的なバザール(商店街)や、美しい城を明白に覚えている。今、どうなっているのか。建物もだけど、果物を売ってくれた商人らはどうなっているのか。虹色の民族や宗教のシリアは今後どうなるのか。

現地では、見たものと言えば、多くのパレスチナ人らの難民キャンプだった。ダマスカスにもあれば、レバノンの各地にもあった。果物のおいしいこの地域の最大の問題は、70年前に地図上でしかなかったイスラエルを国家として設置したことだ。その土地に住んでいたパレスチナ人らは家を追われて隣国へ行った。今になって、その避難先も追われる状況になっている。ああ、あああ。その地域に住んでいる人たちはどうなっているのか?

おいしい黒いオリーブが作れる日がいつ来るのだろうか。林を耕したり、実をとって、オリーブ・オイルや商品を作ったり、売ったりすることができるのだろうか。

11日の文化放送でシリアの話をします